いちえふ (読み切り) レビュー Oct07

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いちえふ (読み切り) レビュー


IMG_1858IMG_1859IMG_1860 漫画雑誌「モーニング」2013年44号に掲載された、第34回MANGA OPEN大賞を審査員の全員一致で受賞した作品。作者と名乗っている新人の竜田一人(Kazuto Tatsuta)は本名ではなく、福島第一原子力発電所で実際に働いていたのだそうです。「いちえふ」とは「1F」、つまり「福島第一」を現場でこう呼んでいることから付けられたタイトルです。 原発事故について冷静な議論がほぼ不可能になった今の日本における問題作となることは間違いありません。1枚目に書かれているアオリの文句は「これはフクシマの真実を暴く作品ではない」「これは作者がその目で見たフクシマの現実」となっていることからもわかるように、読者の感情を必要以上にあおらないように注意しながら、現場の様子を淡々と漫画で伝えています。日本ではMichael Mooreのように映画を使用するジャーナリストはほとんどいない代わりに、このように漫画を使用したジャーナリズムがときどき生まれます。 登場人物は皆淡々と仕事をこなし、誰も騒いだり恐れたりしていません。劇的な場面もなく、読んでいてむしろ拍子抜けしてしまうかもしれません。もちろん非常事態であることも確かなのですが、この漫画はこのような現場の様子を臨場感たっぷりに伝えることに成功していると私は思います。将来この原発事故の第一級の資料となることでしょう。

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hachi8833
Born in the 1960s. Manga-addicted since the age of four.
Favorite Authors: Osamu Tezuka, Fujio Fujiko, Rumiko Takahashi, Daijiro Moroboshi, Hitoshi Iwaki, Ryoko Yamagishi, Yumoko Oshima, Fumiyo Kono and goes on ever...
Recent Favorite Manga: Sayonara Zetsubou-Sensei (Koji Kumeta), Kasoku Kids (http://kids.kek.jp/comic/), Ball point pen Kojiki (Fumiyo Kono)
A long-time reader of Japanese "Educational comics."